KEN micro game labo. ブログ

KEN micro game labo.オフィシャルブログです。

実績ゼロの開発者が初めて出したゲームはどれぐらい売れたのか?

さてさて、いつの間にやらおかげさまで発売1ヶ月を経過いたしました「KEN micro game labo.」初作品「アイ・アム・戦闘員」!

DLsite: 

https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01039710.html

melonbooks

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1878720

 

まあ、あれでも営利目的ではあるので、実績ってもんが欲しいわけですが、さてどんぐらいになってるんでしょうか……

 

まずDLsiteの販売実績……

 

0!!!!!

 

つづいてmelonbooksの販売実績……

 

0!!!!!

 

合計は……

 

0~!!!!!

そりゃそうだろ!あんなゲームなんかやった日にはプレイヤーのメンタルは虚無の極みになるってもんじゃんよ!

まあ、とりあえず体験版をプレイしてみてくださいよ。あれが全てです。製品版は、タイムリミットが30秒から5分に伸びるだけ。そもそも5分もプレイし続けるのが苦痛だけど。

そりゃね、例えばこれがキャラゲーで、ショッカー戦闘員とか黒十字軍ゾルダーとして仮面ライダースーパー戦隊に原作の必殺技食らってド派手にやられるゲームだったらそれでもやるとは思いますよ。でもプレイヤーはUnityにおけるサンプルオブサンプルオブサンプルのロボットカイル君、相手もよく分からん犬×5。プレイしてて楽しいわけないじゃん。まだ「ゲームメカニクスはクソだけどとにかく演出やグラフィック周りは見ていて素晴らしいからやる価値はある」とか「グラフィックはアセットそのまんま使っただけだけどゲームメカニクスは滅茶苦茶面白い」ならいいけど。

その上開発者本人も「どんな感性を持てばこの『ゲー無』が面白いと思えるんだろう」と分かり切ってたから!生みの親本人が否定するようなゲームを、誰が楽しめるってんだよ!っていう話でね。

 

これちょいと裏話というか、言い訳というかがあるんです。このゲームは、今となってはもう昔のことだが管理人がゲームクリエイターとして就職を目指していた時、就職のための実績作りとして出そうとしてたゲームだったんですよ。要するに、「作品を作れる力はとりあえずある」と自分が言うためだけの。

でも、専門学校生ならまだしも20代中盤に差し掛かったオッサンがこんなもの出したところで、ネットに「こんな酷い応募者がいたんですよ~www」と晒されるのが関の山ってもんでね。況や求職者じゃないただの個人開発者がこれ出してきて「さあ遊ばせてやるから100円払え」と言った場合においてをや。

 

ちなみに、「ゲームを一つ完成してリリースさせたら、その分だけ力がつくんだよ!」とはよく言われますが、ではこのゲームをリリースしてよかったこととは……。

 

……ぶっちゃけて言うと、無いです。だって、楽しくて開発してたわけじゃないんだもの!バイト時代、終業後や休日を潰してまで成果の出るわけがない就職活動のために作ってたものを流用した。だから、このゲームを出してよかったことは無い。「KEN micro game labo.のゲームはクソゲーだから買ってはいけない。100円をドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てた方が時間の浪費がない分遥かに生産的だろう」っていう認識がこのゲームを目撃した人に発生しただけ。

 

えー、読んでる側がテンション下がるようなこと書いてすいません。ただ、一番大事な再発見があったかな、とは思います。

 

それは、「自分で開発してて楽しくないゲームを人様にプレイしてもらえるわけがない

これは間違いないんじゃないかな。ゲーム制作ってあーんな『ゲー無』でも、僕個人の主観ではけっこう労力かかったなー、と思ってます。でも、ホントにツラかったのは、その労力が報われるという希望が、妄想レベルですら一切見えないまま作ってたことです。自分でテストプレイしてても面白くないし。

で、その原因はやっぱり、「就職活動のために実績用のゲーム作らなきゃ」という半ば義務的な出発点にあって。そうなると道中でも「どうせ就職用のサンプルでしかないんだしこんなもんでいっかー」がずーっと続いて。そしてそのテンションのまんま到着のリリースも「あー就職失敗しちゃったなー。この残りかすどうしよ。とりあえず形だけ整えてDLsiteとメロンブックスに置いとくかー」と投げやりでやったとこ、正直あります。

 

結局のところ、ゲームを楽しみたいなら消費者として楽しめばいいだけなはずのところを、どうしてわざわざ難しいプログラムなんかを勉強して、多大な労力をかけてゲームを開発するのか。

 

「まだこの世に存在しない、自分が理想とする面白いゲームを作りたいから」

 

本来、これが最初に来るんじゃないでしょうか。自分が思いついた面白いゲームメカニクスを試して欲しい、自分の考えた可愛い女の子を縦横無尽に動かしたい、自分が描いた美しい世界の中を自由に歩き回りたい……色んな動機があると思いますが、とにかくそれがあってこそ、開発が大変でも「自分の理想とするゲームが出来上がりつつあるんだ!あー早くプレイしたい!頑張ろう!」となるわけで。

 

ちと話はズレるけど……僕みたいに就職に失敗してリタイアしていく人がいる一方で、夢だったゲーム業界に就職出来た!っていう人もいるわけです。僕からしてみたら「うわぁ勝ち組だ、きっとこれから栄光のゲームクリエイター人生を歩んでいくんだろうなあ、ああなんて羨ましい」なんて思うわけですが、そんなふうにせっかく過酷な生存競争を勝ち抜いてゲーム業界に入れたのに、その人はゲームクリエイターとして人生の成功者になるどころか、やりがい搾取されまくってボロ雑巾のようになって捨てられた……なんて話が後を絶ちません。

こういうのも、「自分の理想とする面白いゲームを作る」という部分がなくなって、ゲーム開発が給料をもらうための義務になっちゃうからだと思うんですよね。会社に入ったら「自分の理想を詰め込んだ、自分が遊びたい面白いゲーム」じゃなくて、「何やら自分のあずかり知らぬところでお偉いさんが思いついたらしき儲かるゲーム」を自分が面白そうと思うか思うまいかに関わらず無理矢理作らされるのが基本だから。でもそんな風にゲームを作るのが辛くないわけがない。ゲームクリエイターの待遇なんて、余程の大手パブリッシャーを除けばその要求される能力や労働量を考えると明確に悪いですし。

だから、「自分がゲーム作ってて楽しいこと」というのがないと、ものすごく大変なことになると思うんですよね。個人開発者が別に他人の指図なんて受けずに勝手に作るんだったら、「わざわざ他人のために自分自身はちーとも面白いとは思えないゲームを多大な労力をかけて作る」という苦痛を背負うなんてチャンチャラおかしい話なわけです。

 

そういうわけで、次のゲーム(実はストックあったのです)は自分で遊んでて面白いゲームを出そうと決意したという話。就職やノルマに追い立てられているわけではないので、じっくりやるのが正解だと思います。とりあえずプレイヤーキャラは当分ユニティちゃんで。