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管理人的求人の選び方2

昨日の続きです。

 

求人票サンプル - Google ドキュメント

 

3.派遣であることを隠していないか

5.同じ求人を大量に出していないか

この2つは被る部分が多いので一緒にやります。

 

まー一生フリーターというのも珍しくないこのご時世になっても…いやむしろこのご時世だからこそ、とにかく「正社員」という肩書には絶大なブランド力があります。「正社員」というだけで「給料毎年うなぎのぼり!ボーナスウッハウハ!解雇規制なく一生安定!圧倒的成長も思いのまま!とにかく正社員になりさえすれば貴方の一生の幸せが保証されます!」というノリになってきたりね。銀行も「正社員」の肩書さえあればホイホイクレカ作らせて住宅ローンも貸しちゃってみたいな。でもって、逆に非正規だと「お先真っ暗!!!!!世の中にあなたの就ける仕事はありません!!!!!最低賃金でこき使われた挙句、あなたはいつでもクビになります!!!!!そうなったらホームレスまっしぐら!!!!!きっと誰にも顧みられず路地裏で野垂れ死ぬことでしょう!!!!!まー可哀想、アハハハハ!!!!!」という扱いを受ける。とかく世間は内実を見る暇がないので、「正社員が常識、非正規は馬鹿な無能が転げ落ちる先」と肩書だけで全てを判断します。それを分かってるからみんな必死に「正社員」の肩書を欲しがる。

 

で、この心理に付け込んでくるのが旧「特定派遣」という働かせ方。「名ばかり正社員」というやつ。今は上っ面だけ変えて誤魔化してますが、内実は一緒なのでこの記事では「特定派遣」と書くことにします。

 

簡単に言うと、「ウチに来てくれれば『正社員』の肩書をくれてやる。でも仕事はウチじゃなくてウチの取引先の中から俺が勝手に選んだ場所に派遣として行ってもらうから。みんな雑用係を求めてて引く手数多だからね!派遣扱いだから給料安いし出世もないし使い捨てでいつでも切られるけど、まあ『正社員』だから精々頑張ってうちにガッポガッポピンハネさせてくれよウヒヒヒヒwww」という働かせ方。

単に阿漕なブラックというだけにとどまらず、こういうところ経由で派遣される職場というのは常に危なっかしく、炎上プロジェクトで誰でもいいからとにかく頭数を揃えなければならないとか、過酷な肉体労働で人が集まらないから特定派遣の会社に騙されて入って来た人が送られてくるのを待つしかないという状況に陥っている。入社時にはどこに飛ばされるか分からず、強制的に引っ越しせざるを得ない状況になり「派遣寮」―もといタコ部屋に入れられることも珍しくない。指揮命令系統が曖昧になりがちでブラックになり、派遣扱いでこき使われ、ちょっとでもダメになったらクビにして「代替品」を用意し「仕事先がないから」と解雇されて終わり。

 

要するに、ただ右から左に奴隷を流すだけでガッポガッポ金が入ってくる人売り業者と、直雇用しないことで小手先の人件費削減に精を出すブラック企業が持ちつ持たれつで肥え太っている状態。当然のようにヤバい。

 

で、この特定派遣は、こういう悪名が世間中に轟いているので、積極的に入ろうとする人はいません。というか、内実が分かったら入ろうとも思いません。その一方、特定派遣業者は商品=人を売れば売るほど儲かり、なおかつ何のスキルも要らない仕事だから人間でさえあれば誰でもいいので、誰でもいいから湯水のように求人広告費を使い、詐欺的な手法を使ってでも人をかき集めようとします。

 

これは「派遣番号」とか、会社PR欄に「プロジェクト先に派遣されて」だの「あなたに合った案件をキャリアアドバイザーが」だので派遣だと尻尾を出すパターンがあったり「未経験でも手に職を!50万円以上可能!」とか釣りワードが入ってたりすると一発で分かります。

 

もっと極端な場合では、職種、業種、地域を少しだけ変えた求人をありとあらゆるパターン網羅することにより無茶苦茶な数の求人を出しているところから分かることがあります。

100件の求人がヒットしたのに、中身を見たら全部同じ会社で都道府県市町村だけ変えて本社面接地オフィス全部東京なのに、北海道でも青森でも岩手でも秋田でも山形でも福島でも(中略)熊本でも宮崎でも鹿児島でも沖縄でもヒットするとか。SESだったら、同じ会社が製造にも商社にも物流にも小売にも官公庁にもetcetc全業界出して、中身もC言語C++C#JavaPythonRubyCOBOLと全部全部出して、組み込みもスマホも業務システムもブロックチェーンクラウドもサーバーも…とか。半端なす。普通の会社だったら得意分野はそれなりに狭いはずです。システム開発だったら「ウチは食品製造工場のラインに組み込むプログラムを極めてます」みたいな。じゃないと、手当たり次第に拡大したところで収拾つかずに終わるはずなんで。

 

これが特定派遣です。何一つとして直雇用に対するメリットナシ。見かけたら即ブラックリスト入りさせましょう。

 

4.採用人数は適正か

有名な指標ですね。

 

新人って思いのほか受け入れ側にとってのストレス要因になります。自分たちにとっては分かり切ってて当たり前の「常識」が全くゼロの人を相手することになるから。新人の相手をするためには業務を止めなくてはなりませんし。

業務を円滑に維持したまま相手できる新人の数ってそう多くないはずです。このバランスが崩れている会社というのは、まともに新人の受け入れ態勢を整える意志がハナからない可能性大。適当に現場に放り込んで「じゃ、あとは現場でよしなにやってくれ」以上。新しい会社のカルチャーやメンバーに慣れるまでの緩衝期間なんて知らない。なんとか馴染め。新人がドロップアウトしてもソイツが馬鹿だったせいだから自分たちには関係ない。こんな感じ。

そういうことが常態化している会社は、新人が入ってくる→受け入れ態勢がない→馴染めない、過酷な環境→すぐ辞める→新しい人を取らなければならない→一々すぐ辞める奴の相手してらんないから受け入れ態勢を整えるなんてメンドーなことしない→馴染めない、過酷→すぐ辞める…という悪循環が発生している。それでたまたますぐ辞めない人が少しでもいたら儲けもの。

 

結局のところこういう「新人の受け入れ態勢が整っていない会社」というのは「入ってきた人をどうすれば一人前の戦力にして、会社のカルチャーに馴染ませることができるのか」というやり方を知らないから、非効率な使い捨てを繰り返して当たりが来るのを待つしかない。もちろんそんな会社が他の部分でブラックじゃないわけがなく。

だから新人の使い捨てをしていないかはとっても大事で、そのひとつの目安が「採用人数は適正か」という指標なわけです。

 

管理人的な「求人票だけで分かるブラック企業の避け方」はこんな感じです。こういう会社にはハナから応募しない方がいい。受かったところで「自分はこんなブラック企業に行くしかないのか…」と心がネガティブ化するし、落ちたら落ちたで「お前はブラック企業さえも拒絶する廃品だ!」と突き付けられた気分になる。どっちみち後悔する。